恋愛を科学する!? Vol.2

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大反響だった前回に引き続き、恋愛を科学します!!

前回は“人間の進化”と“恋愛”を関連させて論じてみたのですが、「こういった面白い内容なら飽きずに勉強できるのに」などと言ったありがたい御言葉を多数いただきました。なので続きを書きます。そもそも、恋愛感情というのは戦略的な意味合いが強いという説明をしました。恋人を誰かに奪われないように、監視をすることが独占欲に変化していったという話でした。でも、恋愛する時に遠い距離から望遠鏡を使って監視したりはしないですよね??それじゃストーカーです。割りと近い距離で、肌と肌が触れ合うような距離で、愛する人を見守りたいという人は多いのではないでしょうか。そう、人は好きな相手とくっつきたいのです。では、何故くっつきたいのでしょうか??

 

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なんで人間は抱き合うの??

抱きしめ合うこと、いわゆる抱擁というやつですね。英語ではハグ(hug)と呼ばれ、欧米などでは家族や恋人、友人や隣人に対して分け隔てなく行われています。しかし、なぜヒトは抱き合うのでしょうか??単細胞生物でもあるまいし、抱き合うことで何か交換できるわけがありませんよね。実はヒトは抱き合うことで恋愛ホルモンを分泌します。ハグで分泌される主なホルモンは“オキシトシン”と呼ばれ、これは人間関係を健全に保ち、緊迫した状況でのストレスを鎮める作用があるのです。 女性の中には恋人の体臭を嗅いだり、肌の温もりを感じたりすることで、“幸せ”という感覚を実感した経験がある方も多いのではないでしょうか??そう、その感覚こそがオキシトシンの影響なのです。では、ホルモンとはそれほど恋愛に関係してくるものなのでしょうか??

 

行為によっても脳内で分泌されるホルモンが異なります。例えば、キスではオキシトシン、セロトニン、ドーパミンなどの幸せホルモンが分泌されます。ハグは先述したオキシトシンといったように、種類も多種多様です。しかし、交際期間の長さによっても分泌されるホルモンが異なってきます。恋愛初期はドーパミンと呼ばれる、「快感、好奇心、驚き、達成感」のような刺激によって活性化し、一歩間違えると、中毒症状に陥りかねないホルモンが分泌されます。古来から恋は“落ちる”ものと申しますが、上手いことを言いますね。ハラハラドキドキして展開が読めないことで、ドーパミンが活性化されて、より相手に対して夢中になるのです。このドーパミンの分泌が、付き合いが長くなるにつれて落ち着いてくることで訪れるのがマンネリと呼ばれる症状。このマンネリを打破して、恋人との関係を持続させるためには、密接なスキンシップが重要になってくるのです。

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どうして人間はキスするの??

先ほど、キスをすることでホルモンが分泌されると言いました。唇は末梢神経が集合している、体の中で、もっとも敏感な部分です。唇が刺激されると、その温度と力強さは強力な信号となって脳へ送られます。それが濃密であればあるほど神経は興奮し、全身に化学反応が起き、ホルモンが脳内を駆け回り、心臓は高なって、体中を巡る温かい血液により肌は赤く染まるのです。しかし、ヒトがキスをする理由をそれだけでは十分な説明ができません。何故なら、キスは子孫繁栄に繋がる性的な意味合いだけでなく、習慣としての文化的な意味合いも持ち合わせているからです。ハグだってそうです。

 

ヨーローッパでは、キスは愛情の証としての習慣です。世界的にもキスは自然的な行為であるかのように思われていますよ??しかし、フエゴ島に住む人間は“キス”を知りません。同じく、ニュージーランド、タヒチ、パプア、アフリカのソマリ族、エスキモーなどの人々にも知られていないようです。でも、彼らにもキスと同じような愛情を表すような行為がないわけではありません。例えば、鼻をこすり合わせたり、腕や胸を互いにすり合わせたり、軽く叩いたりするほか、顔を相手の腕や足に押し付けたりするそうです。

 

では、何故こんなにもキスが世間に浸透していったのでしょうか??それを探るために、キスの歴史を紐解いていきましょう。起源は、動物が親から子へと口移しで食べ物を与えたのが始まりだったとも言われています。これは、とても親密な関係がないと出来ない行為です。そして、自らの遺伝子を確実に引き継ぐためにも重要であり、口内の菌を移動させることで免疫機能を高めるなどと言った理由も加わって、この行為は進化の過程で絶えず促されてきたというのです…。しかし、この食べ物の口移しが、愛情表現のキスに、どのようにして様相を呈していったのかは疑問が残ります。

 

ならば、キスについて描かれている最も古い文献を調べれば、起源が見えてくるかもしれません。そうやって、探していくと紀元前1500年頃に書かれた、インドのバラモン教とヒンドゥー教の共通の聖典である『ベーダ』という本に行きつきます。それらはベーダ語で書かれていて、キスという単語こそ使われてはいないが、「くんくん嗅ぐこと」「触れる」「口を使って匂いを嗅ぎこと」というキスとも受け取れる表現が記載されています。ロウソクもない時代で、夜になれば人の顔は見分けることもできないくらいの暗闇の中、古代の人々は匂いで相手を判別していたそうなので、驚きですね。時代が進み、ベーダ時代末期になると、完全に現代のキスと伺えるような描写が現れてきます。そして、古代ローマ時代にもこの両行為についての記述が残っていると言います。その多くが異性に対するものだそうです。何故、キスをするようになったのかは判明しませんでしたが、恋する男女は今も昔も変わらない感覚を持っているんだなと思うと面白いですね。

 

実は、日本においての“キス”という行為は奈良時代に中国から伝来した外来文化で、ごく一部の地域階級の間だけにしか広まっていなかったと言われています。庶民にまで定着したのは江戸時代になってからのことらしく、よく春画などにも描かれていました。素敵な景色を眺めながら、抱き合いながらキスをするといった、ドラマチックなシチュエーションでのキスは昭和の時代になるまでは一般的なことではなかったようです。

 

キスの科学にはまだまだたくさんの疑問が残っています。最後に、新しく発見された説を紹介したいと思います。キスをするために2人が接近することで、女性の嗅覚は無意識のうちに男性のDNAや生殖状態についてのヒントを嗅ぎ取り、免疫に関わる遺伝子領域であるMHCの配列が自分と最もかけ離れた男性の匂いを嗅ぎ分けるそうです。女性はキスによって、相手をふるいにかけるのです。そう言えば、私の大好きな映画である「バックトゥーザフューチャー」で、主人公のマーティンが過去にタイムスリップした際に、若かりし頃の自分の母親と出逢い、惚れられてしまいます。劇も終わりに近づいたシーンで、マーティンと母親がキスをします。その時に母親があることに気づくのです、まるで「自分の子どもとキスしてるみたい」だと。当然、母親はマーティンが未来の自分の子供であることなんか知る由もありません。映画が公開されたのは1985年のことでした、この実験が行われる何十年も前のことです。まだ科学では証明されていないだけで、女性は他にも色々なものを嗅ぎ分けられるのかもしれませんね。怖い、怖い。

 

まとめ

恋愛を科学するの第二回は恋から派生して、それにまつわる行為について書いていきました。僕らがなんとなくでやっている恋人とのコミュニケーションは意外と全て理に適っているのかもしれませんね。だければ恋をする理由も、ハグをする理由も、キスをする理由も、分かっていないからこそロマンッチクだという可能性もありますよね。はてさて、解き明かされる方が良いのやら、悪いのやら。恐らく、次が最終回。お楽しみに。

writer shimizu tetsuya

 

 

 

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